おお は  と

update 2016. 2. 5.
    2015. 3. 14.

親和銀行大波止支店

    2020.10.1.より
十八親和銀行大波止支店

 美しい長崎市街のJR駅に通じる大通りに面して、ひと際白い御影石の端正な建物が、
温かく迎えてくれる――親和銀行 大波止支店。
現在も行き届いたメンテナンスのお蔭で、白井作品の真髄が彷彿と蘇る。
白井晟一はこの作品の好評によって、その後の親和銀行本店の設計を依頼されて
建築学会賞等を受賞。さらに本店別館(電算棟「懐霄館」)では日本芸術院賞を
受賞したのだから、この建築のもつ意味は大きい。
 平成19(2007)年度・第15回長崎市都市景観賞「大きな建物部門」受賞。
受賞式は2008年3月19日。白井晟一歿後四半世紀経っての受賞だが、何よりも
今も大事に扱われ、活用され続けていることが嬉しい。 1963年竣工、1973年増改築。
 
                     写真は全て 2014年11月見学撮影 copyright (c) SSSC

 ※以上の材料名、寸法は設計図による.但し、尺はmに、片仮名は現代の表記や漢字に変換してあります.

アーチ型の竪格子は、晩年の作品・松濤
美術館のファサードに結びつく. 
ステンレス18.‐8角パイプ.
池底は青鉄平石張り、水中照明灯4コ

独立柱:イタリア産トラバ−チン
フリューティング 20条
スタイロベート(基壇):スウェーデン産
黒ミカゲ本磨き、6枚合せ

南玄関外側:グリルスクリーン
グリルユニット真鍮製ダルクロム仕上
丸型プリズムグラス嵌込み 

 1階ロビー;爽快な吹抜け空間に
 美しい材質の素晴しいインテリアが
 拡がる、 見事!!                                

時計板:本石磨き
周囲:スウェーデン産茶ミカゲ本磨き
文字板:スモークガラス銅メッキ鏡
壁:砕石入りスタッコ木鏝塗りEP吹付け

アーチ型高窓の柱型及入込壁:スウェーデン産       
茶ミカゲ本磨き 
(可及的濃色のもの)
窓下のグリルドア:真鍮ダルクロームメッキ →

  外側:グレーペン銅メッキ鏡嵌めころし


      

グレーペンのガラスドアが美しい

 

正面出入り口の広いテラス部分は、伸びやか
な水平の拡がりを感じさせる.基壇を高くして
銀行の風格を保ちながら.
階段はバリアフリーに改修せずに1ヵ所手摺が
設置されている.(平坦な出入り口は駐車場側
にある)

銀行の組織の変遷に伴い、応接間に
改修されたが、保存された縦長窓部分.
第15回長崎市都市景観賞のトロフィーが
飾られている

駐車場への通路.内玄関とは思えない魅力ある黒タイルの素敵な空間.(左奥の洗面所は綺麗に改修されている)

作り付けの飾り棚も用と美を
兼ね備えたデザイン

白井晟一オリジナルの大きなテーブルは、やがて
懐霄館や松濤美術館にも見られるがその原型

応接間の外壁丸型プリズムグラスを東の通りから見る

上階のラウンジ;顧客に好評とのこと.竣工当時
1階ロビーに置かれた椅子も大切に使われている

会議室には、チョーク入れのある作り付けの黒板
が設置されている
今も綺麗に書ける

最近はスクリーンも使用される

住宅の跡地に駐車場をつくり便利になった.
左側が大通りに面する玄関部分

北側の通りから増築部分を見る

北側にも「親和銀行大波止支店」の
門標が見られる
石の外壁が魅力的